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Swing The Bloody Plow

Gothic Americana / Underground Country / Svensk Hiphop / US Indiehiphop / ニュースと気付き

スウェーデンのAlaskaのお話

今年、Movits!が春にアメリカツアーを行った際、現地でヨッケが受けたインタビューの中に「ミュージシャンになってなかったら、今頃何してると思う?」という質問がありました。それに対するヨッケの回答は「俺は大学に残って研究を、アンダシュはヴィンテージの腕時計の修理屋を、ヨハンはジャマイカに行ってイタリアンのシェフになろうとしてたんじゃないかな」とのことでした。そんなジャマイカでイタリアンなスウェーデン人による2MCのヒップホップデュオの名前がアラスカ、とはこれ一体どういうことなんでしょうかね。

 

と、いうわけでAlaskaについて。

Movits!のファンにはお馴染み、同郷のラッパー“Zacke”とMovits!のフロントマンであるヨハンが組んで、DJ/プログラミングのアンダシュがトラックを担当するAlaskaは、Movits!に比べるとがっつりヒップホップ色の強いサイドプロジェクト。そもそもなんでAlaskaなんて名前にしてしまったのか、文字媒体では触れられていないようなので未だに謎ですが、ヨハンクオリティを感じますね…(リスニングが壊滅的にダメなので、音声インタビューで言ってるのを耳にしている可能性はあるが、いずれにせよそれではわからない私…)。

さて、このAlaska、残念ながら日本ではなかなか話題にはなりませんが、Movits!とはまた雰囲気の異なるヘヴィでパンキッシュなヒップホップに仕上がっており、かなりカッコいい。リリックもMovits!よりストレートに社会的な問題を歌う傾向が強いのですが、そのストレートさがパンキッシュな味わいにも一役買っていると言えます。政治色の強さについては、リリースがスウェーデンの総選挙と重なっているのも関係していた様子。こちらのインタビューでは、ヨハンに「自分自身をロビイストだと見なしていますか?またリスナーの政治に対する認識を変える可能性については?」といった旨の質問も出ていました。それに対してヨハンは「そう思ったことはない」と答えていますが、音楽を作る際に様々な社会的問題をテーマにすることは自分に合っている、またそれらがリスナーに影響を与えるチャンスもあるだろうとも述べています。さらに、示唆的でないヒップホップは苦手、とも。


Alaska - Bomberjacka - YouTube

音、もといトラックに関しては、バンドサウンドらしさを求めるMovits!とは違い、打ち込み感を全面に押し出しています。その一方で、Movits! / Zackeの作品ではこれまで取り入れてこなかったタイプのメローなフックも随所に挟み込まれ、強く印象に残ります。ヨハンとZackeそれぞれのMCとしての魅力はもちろん、アンデシュの元々の音の好みや得意分野も垣間見えるのが面白いですね。本人たちもインタビューでは、「ヒップホップにハマった17歳の頃のノリ」的なニュアンスのことを言っていましたが、こういうヒップホップ小僧な感じが、あまりMovits!をヒップホップとして消費していない日本で本家のようにウケない原因の一つのかな、とも思います。


Alaska - Saudi ft. Dim Out - YouTube

 これまでも事あるごとに絡んできたMC2人ですが、昨年末のベルリンでのライブの楽屋で、「俺のジャケット♪お前のジャケット♪」という非常にどうでもいいフレーズを使ってフリースタイルで遊んでいたところから、「そろそろ一緒になんかやってもいいんじゃね」と思い立ったそうです。鉄は熱いうちに打て、と早速トラックメーカーにアンダシュを引き入れ、曲作りを開始。6月にEPリリースの予定が、ボリュームが増えたのか8月にアルバムへと変更。鉄は熱いうちに打て!の突貫工事であったようです。アートワークもろ被り事件などもありましたが、スウェーデンでの所属レーベル「Goldenbest Records」のサポートもあり、色々面白いゲストを呼んだり、派手なレコ発(なぜかヘリコプターの発着場で)をやったりで、楽しくやっているようです。そのうちゲスト陣の紹介もやりたいです…やれればいいな……

 

 

リリースは本国でも今のところデジタルのみ。日本のiTunesでも買えますよ。

Alaska

Alaska

  • Alaska
  • Hip Hop/Rap
  • ¥1500

 

リンクを貼った部分以外のソースはだいたいこのインタビューから。
http://www.kingsizemagazine.se/karusellen/intervju-alaska/

※訳、といったほどでもないですが、インタビューの内容については念のため話八分くらいで思っておいて頂ければ幸いです。すみません…