Swing The Bloody Plow

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(Movits!に会いに)スウェーデンに行ってきました物語⑥

 Movits!追っかけスウェーデン遠征記、泣いても笑ってもとうとうラストのウプサラ編です。

 

NorrköpingからUppsalaへ

ライブ後、ビール2本程度に収めたためか、帰宅は遅かったものの、少し早めにすっきりと起床。ホテルで朝食を取り、少し散歩をしながら駅へと向かいます。

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教会の横にあった「反省させられる少年の像」…?Allt av Nåd(All of Grace)と書いてあるので、反省させられているわけではないようです。

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左:立派な教会ですが工事中でした。右:昨夜の会場を外から。

で、この日は少し早めの列車でノーショーピンを出発。早めにウプサラ入りして、少し観光をする予定を立てていたのでした……が。

 

まさかのGävle入り

重いスーツケースを抱えてイェブレ行きの列車に。ストックホルム、アーランダーを通り過ぎてウプサラで下車となります。列車で移動したのは10日間のうち6日間。車内で睡眠を取ることはなく、この日も寝ずにずっと携帯にメモを書き溜めたりしていました。さあ、あと10分くらいでウプサラだな、降りる準備をしておかないと、と思ってからの記憶が……気付くと列車はウプサラを出発するところでした。ここまで遅延もなくスムーズな旅だったのに最後の最後にやっちまいました。慌てて携帯で調べたところ、この列車、次の停車はなんと40分後。新幹線か!!!何時の列車でいつウプサラに戻れるのかがなかなか分からず焦っていると車掌さん登場。

私「ああっ、あ、ウプサラ、降り損ね…ウプサラ戻らなあかんねん!」
車掌さん「待ってね、次の列車調べるからね」
私「ああああっ」
車掌さん「イェヴレからこの列車に乗れば5時にはウプサラに着くわよ」
私「アッ、ハイ(スッ…)」

余裕でライブには間に合うことが判明した瞬間スッ…と落ち着きはしましたが、観光する時間はなくなってしまいました…

そんなわけで図らずしもイェヴレ(終点)に降り立つことになった私。さっさと駅の自動発券機でウプサラまでの切符を購入します。スウェーデンはこういうチケット販売機の使い方、わかりやすくていいですね(日本に比べてもっさりしたインターフェイスだと感じますが)。そして今乗って来たのと同じ列車に乗ってウプサラへ。さよならイェヴレ、わずか20分の滞在でした…

ウプサラへ戻る車窓からガムラウプサラらしき丘を眺めたのが唯一のウプサラ観光となりましたが、無事にウプサラへ到着。

 

3/12 Uppsala @ Katalin and All That Jazz

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正面からの写真がなかった。

ウプサラはメンバーの彼女たちも会場に来ていたのでセイハローしてから、「私は最前列とるから!」と1人フロアへ。ステージにはライティングも用意されていて「今日はAtlantisが聴ける…」と期待が高まります。泣いても笑っても、私にとっては最終日。しっかり楽しまなきゃ、と思っているとアンデシュ、ヨッケ、ディヴィッドがスタンバイ、ヨハンも登場して「Tårgas」からスタートです。

この日はカールスタードよりもステージが低め、且つディヴィッドの前を確保していたので、ライティングが良く見える!Tårgasのモノクロームに近いライティングはライブのオープニングとしても締まって見えますし、マイクスタンドを持つヨハンのシルエットがものすごくかっこいい…。そう、ジャパンツアーの際も少し気になってはいましたが、本国ツアーではヨハンが明確に意図してマイクスタンドを使う場面が増えています。ちょっとしたことのように思えますが、それだけで随分とバンドとしての雰囲気も違って見えてくるので不思議ですね。ロックバンドではないにせよ、年々フィジカルなバンド感は増していますし、ヨハンのビジュアルもどんどんワイルド(…)になっているので、マイクスタンドを使う曲の登場はバンドの変化を表すポイントかなぁ、と個人的には感じます。

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Tårgasから一転して、「Woodstock」ではライティングのパターンが星条旗に。派手!というか星条旗というセンスの一種雑なカッコ良さ、Movits!らしいといえばとてもMovits!らしいです。色合いも美しいです。続くSkjut migのいつものホーン隊のステップ、頭を打ち抜く仕草、何度見ても見飽きません。NitroglycerinではライティングのパターンがPVっぽい換気扇になるのもこの日はじめて気付きましたし、Halvvägsに入る前のMCでみんながスッとスムーズにスマホのライトを付けるのもスウェーデンならでは(日本でも毎回客に指示だしてますが、イマイチ伝わっていない…w)。そして、何と言ってもやっぱりライブ中盤の白眉が「Atlantis」


Atlantis - Movits! @ Uppsala, Katalin

どうにか絵面だけは動画に残しましたが、この、ヨハンとアンデシュの兄弟だけを照らす真っ赤なライティング、一旦すべて落ちてからホーン隊のパートに入るところ、静かなエンディングまで、何もかもが素晴らしくてですね…5公演中2回しか聴けなかったですが、やはり今のMovits!の「ただ踊れるだけのバンドではない」面がしっかりと詰まった、本当に良い曲(ライティング、演出込みで)だと思います。アンデシュは「まだあの赤いライトは調整しなきゃ〜」と言っていましたが。

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Louvren、ヨンショーピンの時の動画とは反対側から。ヨハンの動きが面白いことになってますが、一列で横並びになるところほんとに良くてね…

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逆光ヨハン。正直、ぶっちゃけて言うと、この日はヨハンがカッコ良くてカッコ良くて私の見当識がおかしくなったのかと思うレベルでヨハンがカッコ良くてですね…?いや、私ほんとうにハマった当初からひどいヨハン推しなんですけど、ハマってから丸4年も経って、24ステージ目にして改めて、しかも心から「あっ、おにいちゃん死ぬ程かっこいいな」って思ったんですよね…限りなくポムポムプリンに似ているだけの生き物ではなかった…!!職人的にMovits!のサウンドをコントロールしているアンデシュと、スポークスマンとしてもバランサーとしてもスマートなヨッケ、この2人をまとめるリーダーシップと、フロントマンとしての(すこし貫禄が出て来た)パフォーマンス。ヨハンのカッコ良さって突き詰めるとこの2点なんですけれど、いやもうこの日はカッコ良さ、カンストしてました…何が違ったというわけでもないんでしょうが………でも、ヨハンのそういうカッコ良さって、強固なアンサンブルやグルーヴ感、レベルミュージックとしてのアティテュードなど、”バンド”らしいフィジカルな魅力に還元されて行ってると思うので、やっぱり全てひっくるめてMovits!は世界で一番カッコよくて素敵で可愛いバンドだと思いますよ(真顔)。

ちなみに5公演とも後半のSammy Davis Jr.はちょっとだけ短縮バージョン。本編最後のDansa i Regnetで死ぬ程踊らされて、アンコールでは日本未披露のLuften är friから、ラストでやっぱりヨハンがフロアに降りてきてくれてのÄppelknyckerjazzまで、ノンストップの16曲でした…燃え尽きましたよね…

 

全5ステージ見終わってしまった…

終演後、ぼんやり立ち尽くしているうちに「ああ今日で最後だ、しばらくライブ見れないんだなぁ」と思ってべそべそしはじめる私。去年の広島公演は終わったとたん泣き崩れてたのでそれよりはマシですが……と、そんな私にヨハンの彼女が声をかけてくれました「ねぇ!足にヨハンのタトゥーを入れてる男子が居るから見に来てよ!」……なんですって?

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ええええー……ヨハンのタトゥーと、自分のタトゥーを指すヨハンの指です。これみたらセンチメンタルな涙も引っ込みますわ…外国の人って比較的カジュアルにバンドネタのタトゥーとか入れちゃいますよね…わからぬ…

この晩のホテルはたまたまメンバーと同じ。「ミオのことだからほんとはオレらがどこ泊まるか知ってたんだろ〜?www」とかツッコまれる…そういうのやめて!マジで!信じる人いるから!!と思いつつ、みんなでドヤドヤとホテルに戻りました。

 

Uppsalaから成田へ

翌朝は6時半のバスで直接アーランダへ移動の予定。昼に寝過ごしてイェヴレまで行ってしまったため、正直寝るのが怖くなり「いっそのこと今日は寝ない!」と決断した私。帰りたく無さ過ぎて、目を覚ますのを身体が拒否する可能性さえあります。それもあって結局クラブへと繰り出し、一睡もしないままバスでアーランダへ。帰りたくないよーと泣きながらルフトハンザに乗せられ、フランクフルトを経由してすいすいと成田まで運ばれ、あっという間に自宅へと着いていたのでした。初日にスウェーデンでMovits!を見ている時もすごく不思議な感覚がありましたが、今朝(時差8時間)にはウプサラにいて、Movits!と一緒だったのに、と思うと日本に帰って来てもやっぱり不思議な、夢をみていたような心持ちでした……夢だったのかな…うん、夢だったんだろうね…楽しかったな…

 

と、いうわけでデイリーな遠征レポートは以上ですが、もう一回だけ、海外遠征のあれこれのまとめに続くよ。